個展「郷土玩具の絵」

個展「郷土玩具の絵」

郷土玩具は
「いいもの」を作ろうというエゴみたいなものが
全くない状態で作られた玩具です。
今現在郷土玩具を作っている方でも、
描かれている模様がなんなのか、
なんの意味で描かれているのかということを
何もわからずに作ってる方は多いように思います。
むしろ考えてすらいないのではないのでしょうか。
「前から作られてきた通りに作っているだけですよ。何でしょうね、この模様。」
以前訪れた工房ではそんなことを言われました。
ここまで自分をからっぽにして絵を描くことなんてできません。
その「からっぽ」な状態。
邪心が無い。
そこが自分の思う郷土玩具の大きな魅力です。

ただ、そんな郷土玩具の中にも廃絶していったものが多く、
今では減っていく一方です。
こんなに素敵なものがなくなってしまうなんて、
悲しいし、寂しすぎる。
自分がこれからずっと楽しむ為にも、
どうにかしてほんの少しでも守ることはできないだろうか。

そんなことを考えていると、
できるだけ自分のエゴのようなものを消して、
真正面から向き合って、
郷土玩具を描いてみたいと思うようになりました。
玩具そのものが魅力的なものなので、
自分の表現やらなにやらは必要ない。
ここにある玩具を紙の上に定着させよう。
それだけを肝に銘じて描きました。
描いてる間、
そのデフォルメのいびつさにニヤニヤしたり、
不思議な色合わせにドキドキしたり、
とぼけた表情に癒されたり。
描くたびに新しい発見をしていたように思います。
これから郷土玩具の絵を描くことは、
自分のライフワークになりそうです。
描いたものが貯まったら、
またどこかで発表できれば良いなと思っています。

そして最後に。
個展「郷土玩具の絵」にお越しいただいた皆様、
ありがとうございました。
お忙しい中たくさんの方々にきていただき、
とても励みになりました。
そして今まで郷土玩具に興味のなかった方々にも、
ほんの少しでもその魅力を伝えることができていたら、
本当に幸せです。