加藤廉兵衛さんのこと

加藤廉兵衛さんのこと

鳥取北條の土人形工人、加藤廉兵衛さんが9月に亡くなってしまいました。
96歳。

廉兵衛さんは
6月に鳥取の北栄町北条歴史民俗資料館で
「北条土人形ー加藤廉兵衛の世界ー」という展覧会を開催していたようです。
人形を作り始めた頃は周りの人間は誰も評価せず、
くだらない物を作って、何をやってるんだと変人扱いをしていました。
その後、民藝運動に参加した吉田璋也が評価したことによって、
ようやく周りも郷土玩具を作る人間として認めたようす。
変人扱いされてはじまり、最後は県の博物館での展覧会。
「北条土人形ー加藤廉兵衛の世界ー」は
廉兵衛さんの集大成だったのではないでしょうか。
今きっと満たされた気持ちで眠っているのだろうと想像しています。

ただ郷土玩具会にとって、僕にとって、
とても大きな存在を亡くしてしまいました。
またひとつ愛らしい玩具が廃絶してしまいました。
とても切なく、寂しい。
それでも廉兵衛さんの作ってきた人形達は、
今も鮮やかに彩りを放っています。
この彩りを眺めていると、
今年の3月にお会いした時に確信に満ちた眼でおっしゃっていた
「郷土玩具は絶対になくなることはない」という言葉が、
心の中に響いてきます。

写真は工房に訪れた時にいただいた「雪うさぎ」です。
優しく少し切ない表情をしています。